俺は、夜の闇の中を歩いていた・・・。
音楽を聴きながら。
爆音で。
ふと、少し先の交差点の信号が青になったのが見えた。
あそこの信号は赤になったら、かなり待たなくてはいけない。
「はぅぇ！」
意味のない叫び声をあげて、俺は駆け出した。
しかし、リュックを背負っていたので、ゆさゆさ揺れて走りにくい。
しかたなく、小走りになっていた。
ちょこちょこちょこーって感じで。
周りから見たら、明らかに変態だった・・・。
それでもとにかく走った。
あと少し、もう少し
ふと、突然、何かにつまづいた。
「あぅぉ！」
前のめりに倒れる。
今までの人生が、走馬灯のようにフラッシュバックする・・・。
変な走り方してたのがまずかったか・・・。
まだ、やり残したことが。
まだクリアしてないゲームが・・・。
まだ観終わってないアニメが・・・。
まだ、死にたくない。
まだ、死ねない
そして、目の前に地面がせまる。
とっさに手を出すが、もう遅かった。
ビッタァーーーン！！
「はぅぁ！」
全身全霊で地面に自分を叩きつけた。
よくゲームやアニメでこけてるキャラの気持ちを、全身をもって体感。
周りをちらっと見るが、いくら夜とはいえ、ちらほら人が・・・。
かなり痛かったのだが、
ちょー恥ずかしかったので、何事もなかったように、
「ひゅーひゅーひゅひゅー♪」
と、ふけない口笛を吹きながら、
その場を後にするのだった・・・。
ってまあ、昨夜の出来事なわけだが、
親に「体ひどいのも運動不足が原因かもしんないし、少し歩けば」
とか言われてしまったので、歩いて駅前まで行ってきたわけよ。
まったく、歩いてもろくなことないぜ。
まあ、体のほうは、峠を越えてだいぶ落ち着いてきたかな。
まだ、いいってわけじゃないが、状態的には改善してきたと思う。
苦労したかいがあった。
先週はずっとひどかったから２週間で治るのかよ、と思ってたし。
そんで今日、まじでかなりあせったのだが、
突然会社から呼び出しが！
休み中のところすまないが、どうしても話したいので来てほしいとのこと。
・・・。
かなり、リストラクチャーを覚悟して行ってきた。
しかし、その心配をよそに、
今の体の状態とか、仕事ちゃんとできてるか、今の仕事に満足してるか、他の部署でやってみる気はないかとかいろいろ聞かれた。
とりあえず、辞めさせられる話ではないらしい。
んでも、なんか、人事異動の可能性もあるらしい・・・。
まあしゃーないので、それはそれで厳粛に受け止めますけど。
